XF35mmF1.4 Rは、FUJIFILMユーザーなら一度は気になる存在です。
発売から10年以上が経った今でも、写真好きのあいだで語り継がれているこのレンズ。ぼく自身もこれまでに何度か手放して、何度も買い戻してきました。
AFは速くないし、音も目立つ。スペックだけ見れば「ちょっと古いな」と感じるかもしれません。
でも、それでもこのレンズが忘れられない理由があるんです。
“空気まで写る”とよく言われるその描写は、他のどのレンズにもない独特の味があります。
今回は、XF35mmF1.4 RをX-Pro2やX-E4で使った実体験をもとに、魅力と注意点を整理してレビューしていきます。
XF35mmF1.4 Rのスペック

型番 | XF35mmF1.4 R |
焦点距離 | 35mm (35mm判換算:53mm相当) |
レンズ構成 | 6群8枚 (非球面レンズ1枚) |
最短撮影距離 | 28cm (最大撮影倍率 0.17倍) |
絞り | F1.4〜F16 (1/3ステップ、全22段) |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
フィルター径 | 52mm |
サイズ | 約65.0mm × 50.4mm |
重量 | 約187g |
デメリット
メリット
特徴と操作性

軽量コンパクトなボディ
XF35mmF1.4 Rは、質量約187gと非常に軽量で、X-Pro2やX-E4と組み合わせても総重量は約740g程度に収まります。
この軽さは、日常のスナップ撮影や旅行など、長時間の持ち歩きでも負担にならず、気軽に撮影を楽しむことができます。
フルサイズ換算53mmの標準画角
35mm判換算で53mm相当の焦点距離は、人の視野に近く、自然な画角での撮影が可能。
スナップやポートレート、風景など、幅広いシーンで活躍します。
クラシカルなデザイン
アルミ削り出しの角型レンズフードは、クラシカルで重厚感のあるデザインが特徴です。
見た目の美しさだけでなく、撮影時のモチベーションを高めてくれます。
実写レビュー:X-Pro2/X-E4/X-Pro3との組み合わせ

家族スナップ・日常シーンで映えるレンズ

XF35mmF1.4 Rを使って最も感じたのは、「自然な光の中で、印象的な表情が撮れる」ということ。
とくに屋外での家族スナップでは、光をまとうようにふわっと写る背景と、くっきりとした人物の対比が心地よく、何気ないカットが“ちょっといい写真”に化けてくれます。

ピントが合った部分は想像以上にシャープで、髪の毛や目元がしっかり写るのに対して、背景はとろけるようなボケに。
子どもの表情や手の動きもふわっと立体的に浮かび上がってきます。
公園スナップで感じたこと

X-Pro2やX-Pro3との組み合わせ|クラシックな相性


X-Pro2とXF35mmF1.4 Rは、ルックス的にも操作感的にも相性抜群。
クラシックなデザイン同士がピッタリで、撮る前から気分が高まります。
ただし、AFの速度はややもたつきがあり、シャッターチャンスには少し気を使う必要がありました。
それでも、じっくり構えて一枚を撮るようなシーンでは、むしろその“間”が写真を丁寧にしてくれる感じがあります。
X-E4との組み合わせ|軽快な操作感と反応

一方で、X-E4と組み合わせるとAFはかなり快適。
起動も速く、子どもが走ったあとに立ち止まった瞬間をスッと狙える程度には反応してくれました。
スナップ中心で軽快さを重視するなら、E4のほうが扱いやすさは上です。
実際に撮ってもらった妻の感想から見えたこと
焦点距離に関する体感と注意点

XF35mmF1.4 Rの焦点距離は35mm(換算約53mm)で、
人の視野に近い“標準域”ですが、狭い室内での使用には少し注意が必要です。
以下は、使いやすさの目安です:
シーン | 使いやすさ | ひとこと |
屋外スナップ | ◎ | 光の変化をうまく写してくれる |
公園での子ども撮影 | ◎ | 自然な距離感で撮れる |
カフェ・自宅など室内 | △ | やや窮屈。広角寄りが欲しくなる |
動きの多い被写体 | △ | AF性能に注意(X-Pro2だと特に) |
フィルムシミュレーションとの相性も抜群

富士フイルムの大きな魅力である「フィルムシミュレーション」との相性も非常によく、JPEG撮って出しでも満足できる描写が得られます。
ぼくが好んで使っていたのは、以下の3つ:
組み合わせによっては、絵画のような色味に仕上がることもあり、Lightroomでの現像をしなくても十分楽しめました。
XF35mmF2との比較|性能か、描写の味か


機能性・使いやすさで選ぶならF2

XF35mmF2 R WRは、XF35mmF1.4 Rと同じ焦点距離ながら、より現代的な性能を備えています。
AFは明らかに速く、駆動音も静か。防塵防滴にも対応しており、突然の雨や屋外撮影でも安心です。

ぼく自身、以前は「F2で十分」と感じていたこともあります。
特に子どもを撮るときや、動きのあるスナップでは、F2の快適さに助けられました。
でも、写りの“深さ”はF1.4

一方で、F1.4をあらためて使うと、「ああ、これだ……」と思わせる描写があります。
ピントが合ったところから背景にかけて、なめらかにボケていくあの空気感。
F2では得られない「光のやわらかさ」や「立体感」がF1.4にはあるんですよね。
撮っていて気持ちいい、仕上がりを見てまた撮りたくなる。
この感覚は、スペック表では語りきれない“体験”です。
比較表|XF35mmF1.4 RとF2の違い
品名 | XF35mmF1.4 R | XF35mmF2 R WR |
![]() | ![]() | |
開放F値 | F1.4 | F2 |
描写の雰囲気 | 柔らかく立体感あり | クリアでスッキリ |
AF速度 | やや遅め | 速い |
AF音 | ジーコジーコ鳴る | 静か |
防塵防滴 | 非対応 | 対応 |
重量 | 約187g | 約170g |
新品価格 | 約80,000円 | 約55,000円 |
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F2に満足していても、F1.4が欲しくなる理由
これは実体験でもあるんですが、XF35mmF2を使っていて満足していても、
「いつかF1.4も使ってみたい」という気持ちがふと湧いてきます。
ぼくもF2で満足していたのに、最終的には「またF1.4が使いたい」となって買い戻しました。
使い勝手はF2が上。でも、F1.4で撮った写真の“余韻”が忘れられないんですよね。
価格とレンタル情報|買うか借りるか、迷ったら“試す”のもアリ
新品・中古の価格相場

XF35mmF1.4 Rは、2025年現在でも新品が流通しているロングセラーレンズです。
価格の目安は以下のとおりです:
購入方法 | 価格の目安 | 備考 |
新品 | 約80,000〜85,000円 | ネット 量販店どちらも流通あり |
中古 | 約55,000〜70,000円 | 状態により差が大きい |
とくに中古品は価格のブレ幅が大きく、キャップやフードの欠品・使用感の有無に注意が必要です。
まとめ|いま、あらためてこのレンズを選ぶ理由

XF35mmF1.4 Rは、スペックだけを見れば古さを感じる部分もあります。
AF音は少しうるさいし、防塵防滴ではないし、最新レンズのようなキビキビ感もない。
でも、それでもこのレンズを「もう一度使いたい」と思わせるのは、写りの“深さ”です。
ピントが合った部分はしっかり解像して、背景はとろけるように溶けていく。
何気ない瞬間が、ちょっとだけ特別な一枚になる──そんな体験ができるレンズです。
もし「XF35mmF1.4 Rって、実際どうなんだろう?」と少しでも気になっているなら、
買う前にレンタルで試してみるのもおすすめです。
写真の楽しさをもう一度思い出させてくれる。
そんな一本になるかもしれません。
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