FUJIFILM X-Pro2 レビュー|いまでも選ばれる理由と、使ってわかる魅力

X-Pro2レビュー

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たかしくん
たかしくん

もう古いモデルだし、買う意味あるのかな?

X-Pro2を調べていると、そんな声をよく目にします。
確かに、発売は2016年。すでに後継機のX-Pro3も出ていて、スペックで比べれば劣っているところも多い。

でも不思議と、X-Pro2に惹かれる人はあとを絶ちません。
その理由は、単なる機能の比較では語りきれない“写す楽しさ”が、このカメラに残っているから。

ファインダーをのぞく瞬間が好きになる。
撮ったあと、モニターを見返したくなる。
次はどのレンズをつけようか、そんな想像が楽しくなる。

X-Pro2は、「また撮りたい」と思わせてくれるカメラです。

FUJIFILM X-Pro2のスペックと外観

FUJIFILM X-Pro2のスペックと外観
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FUJIFILM X-Pro2は、2016年に登場した「レンジファインダースタイル」のフラッグシップモデル。
見た目はクラシックですが、中身はしっかりと現代的。初代X-Pro1から大幅に進化し、多くのファンに“名機”と呼ばれる存在になりました。

「写真を撮ることそのものを楽しみたい」
そんな人にぴったりの1台です。

主なスペック

有効画素数約2,430万画素(X-Trans CMOS III)
センサーサイズAPS-C
レンズマウントFUJIFILM Xマウント
ファインダーアドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
(OVF/EVF/ERF切替)
液晶モニター3.0型 固定式(約162万ドット)
対応メディアSD/SDHC/SDXC
(UHS-II対応・デュアルスロット)
動画フルHD(1920×1080)
60pまで対応
寸法・重量約140.5mm × 82.8mm × 45.9mm
約495g(バッテリー含)
使用バッテリーNP-W126S
(標準撮影枚数:約250枚)

デメリット

  • AF速度は遅めで、動きものや瞬間を逃しやすい
  • モニターが固定式なのでローアングルや自撮りには不向き
  • バッテリー持ちは短く、予備がないと不安

メリット

  • ファインダーとダイヤル操作が気持ちよく、「撮る所作」が楽しくなる
  • JPEG撮って出しでも満足できる、色乗りの良い自然な写り
  • レンズ交換式+軽量ボディでスナップや日常撮影にちょうどいい

実際に使って感じたおすすめポイント

  • クラシックな外観と高級感のある金属ボディ
     → 実物を手にすると「写真機」としての魅力を強く感じる
  • ファインダーの切り替えが楽しい
     → OVFとEVFの使い分けができるハイブリッド構造
  • シンプルな背面設計
     → 固定モニター+最小限のボタンで操作に集中できる
  • 想像よりも軽い
     → レンジファインダー型としては軽量で、街歩きにも向いている

ファインダーとダイヤルが、撮る気持ちを整えてくれる

ファインダーとダイヤルが、撮る気持ちを整えてくれる

X-Pro2のいちばんの魅力は、やっぱりファインダーにあると感じています。

EVFとOVFを切り替えられる「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」は、スペック表を見ただけでは伝わらないおもしろさが詰まっていて、構えている時間そのものが心地いい。

「撮る前に、もう少しだけ眺めていたい」

そんな気持ちになるカメラって、実はなかなかありません。

特にX-Pro2では、以下のような点が大きく改善されています。

印象的だった進化ポイント

印象的だった進化ポイント
  • EVFのドット数が大幅に向上(144万 → 約236万ドット)
     → ピントの山がわかりやすく、暗所や逆光でも安心して使える
  • ERF(電子レンジファインダー)搭載
     → OVFで見ながら、右下に小さくピント確認ができる画面を表示
  • ファインダー切替レバーが秀逸
     → 親指でカチッと動かすだけ。アナログ感も気持ちいい
  • 視度調整ダイヤルが追加
     → メガネの人でも裸眼で快適にファインダーが使えるように
  • シャッター・ISO・露出補正の物理ダイヤル
     → 電源を入れずに設定を把握できる、これぞ写真機

初めてこのカメラを手にしたとき、思わず「おお…」と声が出ました。
それくらい、ファインダー越しに見る景色にワクワクするカメラです。

「構図を考える」「露出を決める」「シャッターを切る」

その一つひとつの動作が、ただの操作ではなく“所作”になる感覚があるんです。

このカメラを使っていると、いつの間にか撮影に向き合う自分の姿勢まで整ってくる。

シャッターを切る手前の時間が、いちばん好きになれる——
それがX-Pro2の真骨頂だと、今でも思っています。

JPEGの写りが好きで、RAW現像をやめた話

JPEGの写りが好きで、RAW現像をやめた話

もともとRAWで撮って、Lightroomで現像するのが好きでした。
でもX-Pro2を使いはじめてから、「あれ、これもうこのままでいいじゃん」と思うようになっていきました。

とにかくJPEGの写りが良かったんです。
シャドーの落ち方も、ハイライトの粘りも、「これでいい」と思えるトーンに仕上がっていることが多くて、現像ソフトを立ち上げる時間がもったいないとすら感じてしまうほどでした。

なぜJPEGで満足できるのか

なぜJPEGで満足できるのか
  • 色やコントラストのバランスが「ちょうどいい」
     → 彩度が高すぎず、でも淡すぎない絶妙なトーン
  • フィルムシミュレーションが楽しい
     → Velvia、PROVIA、ACROSなど、撮影ごとに切り替えるだけで印象が変わる
  • 粒子感が自然でノイズっぽくない
     → 特にACROSと高感度の組み合わせは、フィルム写真のような質感になる
  • 「撮って出し」で使える写真が多い
     → SNSやブログにそのまま載せられるレベル

もちろん、RAWでがっつり仕上げたい気持ちもわかります。
でも、X-Pro2のJPEGは「撮った瞬間に完成している」ような安心感がありました。

むしろ、現像しないことで撮影に集中できるようになった感覚すらあります。
JPEGだけで勝負できるカメラって、意外と少ないんですよね。

フィルムシミュレーションが、気持ちをのせる色をくれる

フィルムシミュレーションが、気持ちをのせる色をくれる

FUJIFILMのカメラを使っていて「色がいい」と感じたことがある方は多いと思います。
中でもX-Pro2は、その“色の気持ちよさ”を最初に実感させてくれたカメラでした。

光の雰囲気やそのときの気持ちにあわせて、色を選ぶ——
X-Pro2のフィルムシミュレーションは、そんな「色を選ぶ楽しさ」を教えてくれる存在でした。

フィルムシミュレーションごとの特徴やシーン

  • PROVIA(スタンダード)
     → 自然でクセがなく、どんなシーンにも合う万能トーン
  • Velvia(ビビッド)
     → 色のりが良く、風景や光の強いスナップにぴったり
  • ACROS(モノクロ)
     → 黒の階調が豊かで、モノクロ写真の世界に引き込まれる
  • PRO Neg.Std
     → やわらかくフラット。ポートレートや日常の描写にちょうどいい
  • Classic Chrome
     → 彩度低め、階調高め。映画のワンシーンのような雰囲気が出る

シミュレーションを変えるだけで、同じ場所でも写真の“気配”が変わる。
たとえばVelviaでは前向きな力強さを感じたし、ACROSにすると静けさや空気の温度まで写っているように思えた。

設定をいじるのではなく、「今日はどんな色で撮ろうかな」と考えるようになったのは、X-Pro2と出会ってからです。

このカメラが持っている“色の表情”は、
写っているもの以上に、撮っている人の気持ちがのる色なんじゃないかと思っています。

Classic Chromeは妻も大好きな鉄板カスタム

Classic Chromeは妻も大好きな鉄板カスタム

ぼくも妻もClassic Chromeが大好きでよく使っています。

こってりしすぎてしまうときもありますが、映画のワンシーンのような切り取り方もでき、たまに衝撃的にすごい写真を撮ることができます。

X-Pro2じゃないと撮れなかった写真たち(写真作例)

もちろん、ほかのカメラでも似たような写真は撮れたかもしれません。

でも、X-Pro2を使っていたからこそシャッターを切ろうと思えた瞬間がたしかにあって、その積み重ねが、自分の中ではとても大切な記憶になっています。

X-Pro2じゃないと撮れなかった写真たち
  • XF35mmF1.4RとX-Pro2の組み合わせは、最初にして最高の相棒
     → 背景のにじみ方、ピント面の立体感、何より空気感が写る
  • ZeissのPlanar 50mm F2(Mマウント)との相性も抜群
     → アダプターを介しても操作性がよく、フィルムライクな画づくりができた
  • ミノルタ55mm F1.7やオールドレンズとの組み合わせが楽しい
     → OVFで覗きながら撮ると、マニュアルフォーカスでも不思議と撮れる気がした
  • 新生児を撮ったとき、X-Pro2のACROSがすごく優しかった
     → ふんわりとした空気ごと、モノクロで包み込んでくれた感覚

何を撮ったか、ではなく「どう撮れたか」。
もっと言えば、どんな気持ちで撮れたかが残っている写真が多かった。

X-Pro2じゃないと撮れなかった写真たち(写真作例)
X-Pro2じゃないと撮れなかった写真たち(写真作例)

静かな朝の光の中、レンズを取り出すよりも先に、
X-Pro2をカバンからそっと出していた——そんな場面を今でも思い出せます。

X-Pro2作例写真7

他のカメラではなんとなくスルーしていた風景や、
「撮っても意味ないかな」と思っていた場面に、シャッターを切らせてくれたのがX-Pro2でした。

X-Pro2のちょっと不便なところ、だけど嫌いになれない

X-Pro2のちょっと不便なところ、だけど嫌いになれない

X-Pro2をずっと使っていると、もちろん「うーん」と思うところも出てきます。

ただ、それが致命的な欠点というより、付き合い方のクセのようなもので、なぜか嫌いにはなれません。

X-Pro2作例写真9
  • AF(オートフォーカス)はやっぱりちょっと遅い
     → 特に動きのある被写体では迷うことがある
  • 背面モニターが固定式で、ローアングルや自撮りには不向き
     → スマホ連携である程度カバーはできるけれど、頻繁に使う人には不便かも
  • バッテリーの持ちは正直よくない(標準で約250枚)
     → 半日〜1日撮るなら予備バッテリーは必須
  • Wi-Fi転送はあるけど、BluetoothやUSB-Cのような“現代的な便利さ”はなし
     → データ連携はちょっと手間だけど、SDカードを抜けば済む話でもある

こうした不便さがあることを含めて、「じゃあ今日はどう撮ろうか?」と考えるきっかけをくれる。
まるで古い革靴みたいに、多少の扱いづらさも愛着の一部になっていくような感覚があります。

むしろ、サクサクなんでもこなせる最近のカメラにちょっと飽きてきたときこそ、
X-Pro2のようなカメラが撮影のリズムを整えてくれる気がしています。

いまX-Pro2を選ぶ意味

X-Pro2作例写真11

X-Pro2はすでに生産終了していて、後継のX-Pro3も発売されています。
もっと新しいセンサーを積んだモデルや、便利な機能が詰まったボディもたくさんあります。

でも、いまX-Pro2をあらためて選ぶ理由は、そこじゃない気がしています。

X-Pro2作例写真7
  • スペックより「撮る時間の感覚」が合う
     → X-Pro2は、急かさず、でも確かに撮りたくさせてくれる
  • ファインダーが楽しく、構えているだけで気持ちが整う
  • 使いこなすほど“手に馴染む”感覚がある
  • フィルムのように「このカメラで撮った」と言える絵が出てくる
  • JPEGで完結する写りの美しさは、いま見ても通用する

メーカー修理が終了している点や、最新機種との機能差は確かにあります。
それでも、「今これを使う意味がある」と感じさせてくれる道具って、実はそんなに多くありません。

シャッターを切るとき、自分の気持ちが写り込んでいるような気がする。
そんなふうに感じさせてくれるカメラに、また出会えるとは思っていませんでした。

X-Pro3とX100Fの比較:進化と選択のポイント

X-Pro3とX100Fの比較:進化と選択のポイント

X-Pro3とX100Fは、どちらも富士フイルムの魅力を体現するカメラですが、その設計思想や機能には明確な違いがあります。

以下に主な比較ポイントをまとめました。

いまX-Pro3ではなく、あえて選ぶ理由があるか?

X-Pro2X-Pro3
X-Pro2X-Pro3
発売年2016年2019年
有効画素数約2430万画素約2610万画素
センサーX-Trans CMOS III
(APS-C)
X-Trans CMOS Ⅳ
(APS-C)
画像処理エンジンX-Processor ProX-Processor 4
背面モニター固定式モニター隠し式チルトモニター
ファインダーOVF + EVF + ERF
(約236万ドット)
OVF + EVF
(約369万ドット)
フィルムシミュレーションACROSなど搭載
(クラシックネガなし)
クラシックネガ
新フィルム追加
ボディ素材マグネシウム合金チタン外装
(Dura仕上げあり)
重量約495g(バッテリー込み)約497g(バッテリー込み)
記録メディアデュアルSDスロットデュアルSDスロット
(UHS-II対応)
特徴的な違い堅実な操作性
RAW現像不要のJPEG画質
背面モニターが隠れていて
没入感重視
価格(中古相場)約90,000〜130,000円前後約170,000〜220,000円前後

X-Pro3は、高級感あるチタン外装や隠しモニター、最新の画像処理エンジンなど
「撮ることに集中したい人」のために研ぎ澄まされたカメラです。

スペックを比べれば、当然そちらに軍配が上がる場面も多いです。
とくにフィルムシミュレーションや高感度性能、ファインダーの解像度などは進化しています。

でも、だからといってX-Pro2が“古いだけのモデル”かというと、そうではありません。

X-Pro2作例
  • モニターが見えるぶん、融通が利く場面もある
  • JPEG画質は今なお健在、クラシックネガがなくても足りる
  • チタンではないけれど、手に馴染むマグネシウムの質感
  • なにより「触っていたい」「使い続けたい」と思える魅力がある

派手さはないかもしれません。
でもX-Pro2には、“写し手を育ててくれるような道具感”があります。

その魅力は、スペック比較の先にあるものだと思っています。

まとめ:いま選んでもいい、むしろいまだからこそ

X-Pro2作例写真7

X-Pro2はもう新品では手に入らないけれど、
いまでもしっかりと「選ぶ理由」が残っているカメラです。

  • 高級感と温度感のある写りが魅力
  • ファインダーをのぞく時間が楽しくなる
  • JPEG撮って出しで満足できるカメラ
  • 機能は最小限、でも不思議と“撮りたくなる”
  • レンズ遊びが広がる「撮影の土台」としても優秀

もちろん、AF速度やバッテリー、モニターの不便さもあります。
でも、それらを踏まえても「撮ることが気持ちいい」と感じさせてくれる一台です。

X-Pro2作例

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